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結論から言うと、時計のオーバーホールを頼める先は大きく「メーカー正規」「百貨店の時計売り場」「修理専門店」「街の時計店」の4つに分かれます。安さと納期を優先するなら専門店、保証と純正部品の安心感を優先するなら正規、相談のしやすさを優先するなら百貨店や街の時計店、というのが大まかな役割分担です。トキウル編集部でそれぞれの特徴と料金感を整理したので、自分の優先順位に合う依頼先を選ぶ材料にしてください。
正規(メーカー)に頼む場合の特徴と料金感
ブランド自身のサービスセンターに依頼する方法です。ロレックスなら8万円台後半〜11万円前後、オメガなら8万円台後半〜15万円台と、基本料金はブランドとモデルによって幅があります。共通しているのは、純正部品での修理が前提になっていることと、2年前後の保証がつくことです。
正規のいちばんの強みは「その後の資産価値」に効いてくることです。将来売却する際、正規でのメンテナンス記録が残っていると、査定でプラス材料として扱われやすくなります。
一方で納期は4つの依頼先の中でもっとも長くなりがちです。国内在庫にない部品はスイスや本国からの取り寄せになり、混雑期には数ヶ月単位で待つこともあります。今すぐ使いたい時計には不向きな場合がある、という点は先に理解しておいたほうがいいでしょう。
百貨店の時計売り場に頼む場合の特徴
新宿タカシマヤには国家資格「時計修理技能士」を持つスタッフが常駐する時計修理コーナーがあり、他店で購入した時計の相談も受け付けています。日本橋三越本店の本館6階には「時計クリニック」という修理相談窓口があり、電池交換から分解掃除まで対応可能です。伊勢丹新宿店でも電池交換・ベルト交換・オーバーホールの相談ができ、実際の作業は委託先の共栄産業株式会社が担当し、郵送でのやり取りにも対応しています。
- 買い物のついでに持ち込める窓口の多さ
- 国家資格保有スタッフなど、相談段階で専門知識に触れられる
- 他店で購入した時計でも断られにくい
- 多くの場合、窓口は取次ぎで実作業はメーカーや提携工房が行う
- 料金は正規や提携工房の基準に準じることが多く、割安にはなりにくい
- 取次ぎの分、納期がやや読みにくい
修理専門店に頼む場合の特徴と料金感|CIEN・WATCH COMPANY
ロレックスやオメガなど高級時計の修理を専門に扱う工房です。実名で2社を紹介します。
ロレックス、オメガなど高級時計のオーバーホール・修理専門店【CIEN】
元ロレックス技術者が在籍する、ロレックス・オメガに特化した専門店です。受付拠点は大阪と東京(新宿)ですが、全国どこからでも無料の梱包キットで郵送依頼できます。ロレックスは27,500円から、オメガは22,000円からという価格で、納期は約3週間、オーバーホール後1年間の保証がつきます。
年間約30,000本の修理実績!時計修理専門店WATCH COMPANY
店舗を東京・大阪・名古屋・横浜の4拠点に展開し、年間の修理本数は約30,000本という規模感が特徴です。1級時計修理技能士が在籍し、部品交換には純正パーツを使う方針を掲げています。ロレックス・オメガとも2万円台からの料金設定で、納期はモデルによって2〜6週間と幅があります。店舗数の多さから、実物を見せて相談したい人にも向いています。
専門店に共通しているのは、正規の半分以下の料金と短めの納期です。保証期間は1年程度とメーカーよりは短くなりますが、無料見積もりを受け付けている店がほとんどなので、正式依頼前に金額を確認できます。
街の時計店に頼む場合の特徴
地域の時計店・宝石店に併設された修理カウンターです。電池交換やベルトの調整はその場で対応してくれる店が多く、ちょっとした相談のハードルが低いのが魅力です。ただし本格的なオーバーホール(分解掃除)まで自店で完結できる設備を持つ店は限られていて、メーカーや外部の修理工房に取次ぐケースが少なくありません。取次ぎの場合、間に業者が1つ挟まる分、納期はメーカー直送より延びることもあります。
- 普段使いの電池交換・ベルト調整だけなら街の時計店で十分なことが多い
- 本格的なオーバーホールを頼む前に「自店対応か取次ぎか」を確認する
- 取次ぎの場合は納期と追加手数料の有無を先に聞いておく
- 長年の付き合いがある店なら、相談のしやすさは大きな価値になる
【比較表】4つの依頼先を料金・納期・安心感で比較
| 依頼先 | 料金感 | 納期の目安 | 強み |
|---|---|---|---|
| 正規(メーカー) | 8万円台後半〜15万円台 | 1ヶ月半〜3ヶ月 | 純正部品・2年前後の保証 |
| 百貨店の時計売り場 | 正規・提携工房に準ずる | 取次ぎ分やや長め | 相談のしやすさ |
| 修理専門店(CIEN/WATCH COMPANY) | 2万円台〜4万円台 | 約3週間〜 | 料金の安さと納期の短さ |
| 街の時計店 | 店による(要確認) | 自店対応か取次ぎかで変動 | 日常のちょっとした相談 |
料金・納期は2026年7月時点の各社公表情報にもとづく目安です。ブランド・モデル・部品交換の有無によって変動するため、依頼前に見積もりで確認してください。
ブランド別の選び方|ロレックスなら/オメガなら
4つの依頼先の役割が分かったところで、実際に自分の時計ではいくらになるのか気になる人も多いはずです。ロレックスを所有している場合はロレックスのオーバーホール料金で、正規とCIEN・WATCH COMPANYそれぞれのモデル別料金を確認できます。オメガを所有している場合はオメガのオーバーホール料金で、スピードマスターとシーマスターの機種差まで踏み込んで比較しています。
依頼先を絞り込む前に、まずは無料見積もりで実際の金額を比べてみませんか。
初めて依頼するときに失敗しやすいポイント
依頼先の比較と同じくらい大事なのが、依頼の仕方そのものです。編集部が各社の案内を見比べる中で気づいた、失敗につながりやすい行動を整理しました。
- 1社の見積もりだけで即決してしまう(分解しないと分からない追加費用の相場感が持てないまま決めることになる)
- 予算をギリギリで組んでしまう(部品交換が発生した場合の追加費用を見込んでおかないと、想定外の出費になる)
- ダイビングなど水に関わる使用シーンを伝え忘れる(防水性能のテスト内容や仕上げ方針が変わることがある)
- 保証の適用条件を確認せずに依頼する(購入からの年数や依頼先によって、メーカー保証が失効する場合がある)
- 納期の目安だけ聞いて、混雑期の遅延可能性を確認しない
とくに1つ目は見落とされがちです。1社だけの金額を見て「相場はこんなものか」と判断してしまうと、実はもっと安く、あるいはもっと納得できる条件で頼める依頼先を見逃すことになります。無料見積もりを掲げている依頼先は多いので、面倒でも2〜3件は比べてから決めるのがおすすめです。
なお、電池切れなど軽度なトラブルなら、電池交換だけで済むこともあります。依頼先ごとの料金や、ブランド時計ならではの注意点は腕時計の電池交換はどこがいいかで解説しています。水没や水入りをしてしまった場合は、応急処置と修理の流れを腕時計が水入りしたときの応急処置と修理費用の目安でまとめているので、あわせて参考にしてください。修理費用が高くつきそうで、直さずに手放すことも視野に入れている場合は、壊れた時計の買取で動かないまま売る場合の考え方もまとめているので判断材料にしてください。
オーバーホールの依頼先に関するよくある質問
まとめ|優先順位を決めてから依頼先を選ぶ
時計のオーバーホールは、正規・百貨店・修理専門店・街の時計店のどれが「絶対に正解」ということはありません。純正部品と長期保証を優先するなら正規、料金の安さと納期の短さを優先するならCIENやWATCH COMPANYのような専門店、まず対面で相談したいなら百貨店や街の時計店。この優先順位を先に決めてから、複数の見積もりを比べるのが遠回りに見えていちばん確実です。
まずは無料見積もりで、お手元の時計のオーバーホール料金を確認してみてください。
出典:日本ロレックス、オメガジャパン、CIEN、WATCH COMPANY、新宿タカシマヤ、三越伊勢丹の公式サイト(2026年7月時点)を参照し、トキウル編集部が4つの依頼先を独自に整理しました。実際の料金・納期は依頼時期や個体の状態で変わります。