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結論から言うと、時計のオーバーホールを頼める先は「メーカー正規」「百貨店の時計売り場」「修理専門店」「街の時計店」の4つです。どこがおすすめかは優先順位次第で、料金と納期を取るなら修理専門店、純正部品と長期保証を取るなら正規、というのが大まかな役割分担になります。ロレックスやオメガのように正規だと8万円を超えるブランドほど、この差は効いてきます。トキウル編集部でそれぞれの特徴・料金感・向いている人を整理したので、依頼先を決める材料にしてください。
先に結論|おすすめの依頼先はこう選ぶ
細かい比較に入る前に、判断の全体像だけ先に置いておきます。おすすめが一つに決まらないのは、依頼先ごとに得意分野がはっきり分かれているからです。
- 費用と納期を最優先するなら:修理専門店(2万円台〜/約3週間〜)
- 純正部品と長めの保証、将来の売却を見据えるなら:正規(8万円台後半〜/1ヶ月半〜3ヶ月)
- まず相談したい、原因が分からないなら:百貨店の窓口や街の時計店
金額差は同じ作業でも数万円単位になることがあるので、「安いところ」ではなく「自分が何を優先するか」から逆算したほうが後悔しません。以下でそれぞれの中身を見ていきます。
正規(メーカー)に頼む場合の特徴と料金感
ブランド自身のサービスセンターに依頼する方法です。ロレックスなら8万円台後半〜11万円前後、オメガなら8万円台後半〜15万円台と、基本料金はブランドとモデルによって幅があります。共通しているのは、純正部品での修理が前提になっていることと、2年前後の保証がつくことです。
正規のいちばんの強みは「その後の資産価値」に効いてくることです。将来売却する際、正規でのメンテナンス記録が残っていると、査定でプラス材料として扱われやすくなります。
一方で納期は4つの依頼先の中でもっとも長くなりがちです。国内在庫にない部品はスイスや本国からの取り寄せになり、混雑期には数ヶ月単位で待つこともあります。今すぐ使いたい時計には不向きな場合がある、という点は先に理解しておいたほうがいいでしょう。
百貨店の時計売り場に頼む場合の特徴
新宿タカシマヤには国家資格「時計修理技能士」を持つスタッフが常駐する時計修理コーナーがあり、他店で購入した時計の相談も受け付けています。日本橋三越本店の本館6階には「時計クリニック」という修理相談窓口があり、電池交換から分解掃除まで対応可能です。伊勢丹新宿店でも電池交換・ベルト交換・オーバーホールの相談ができ、実際の作業は委託先の共栄産業株式会社が担当し、郵送でのやり取りにも対応しています。
- 買い物のついでに持ち込める窓口の多さ
- 国家資格保有スタッフなど、相談段階で専門知識に触れられる
- 他店で購入した時計でも断られにくい
- 多くの場合、窓口は取次ぎで実作業はメーカーや提携工房が行う
- 料金は正規や提携工房の基準に準じることが多く、割安にはなりにくい
- 取次ぎの分、納期がやや読みにくい
修理専門店に頼む場合の特徴と料金感|CIEN・WATCH COMPANY
ロレックスやオメガなど高級時計の修理を専門に扱う工房です。実名で2社を紹介します。
ロレックス、オメガなど高級時計のオーバーホール・修理専門店【CIEN】
元ロレックス技術者が在籍する、ロレックス・オメガに特化した専門店です。受付拠点は大阪と東京(新宿)ですが、全国どこからでも無料の梱包キットで郵送依頼できます。ロレックスは27,500円から、オメガは22,000円からという価格で、納期は約3週間、オーバーホール後1年間の保証がつきます。
年間約30,000本の修理実績!時計修理専門店WATCH COMPANY
店舗を東京・大阪・名古屋・横浜の4拠点に展開し、年間の修理本数は約30,000本という規模感が特徴です。1級時計修理技能士が在籍し、部品交換には純正パーツを使う方針を掲げています。ロレックス・オメガとも2万円台からの料金設定で、納期はモデルによって2〜6週間と幅があります。店舗数の多さから、実物を見せて相談したい人にも向いています。
専門店を選ぶときに見ておきたい4つの条件
専門店は数が多く、料金表だけ見ても違いが分かりにくいところです。比べるなら次の4点を揃えて確認すると差が見えてきます。
- 技術者の資格・経歴:1級時計修理技能士の在籍や、メーカーでの実務経験を公表しているか
- 使用部品の方針:純正パーツを使うのか、互換部品も併用するのかを明記しているか
- 保証の内容:期間だけでなく、何が保証対象になるか(精度・防水など)
- 見積もりのタイミング:分解前の概算か、分解後の確定見積もりか。キャンセル時の扱いも確認しておく
専門店に共通しているのは、正規の半分以下の料金と短めの納期です。保証期間は1年程度とメーカーよりは短くなりますが、無料見積もりを受け付けている店がほとんどなので、正式依頼前に金額を確認できます。
街の時計店に頼む場合の特徴
地域の時計店・宝石店に併設された修理カウンターです。電池交換やベルトの調整はその場で対応してくれる店が多く、ちょっとした相談のハードルが低いのが魅力です。ただし本格的なオーバーホール(分解掃除)まで自店で完結できる設備を持つ店は限られていて、メーカーや外部の修理工房に取次ぐケースが少なくありません。取次ぎの場合、間に業者が1つ挟まる分、納期はメーカー直送より延びることもあります。
- 普段使いの電池交換・ベルト調整だけなら街の時計店で十分なことが多い
- 本格的なオーバーホールを頼む前に「自店対応か取次ぎか」を確認する
- 取次ぎの場合は納期と追加手数料の有無を先に聞いておく
- 長年の付き合いがある店なら、相談のしやすさは大きな価値になる
【比較表】4つの依頼先を料金・納期・安心感で比較
| 依頼先 | 料金感 | 納期の目安 | 強み |
|---|---|---|---|
| 正規(メーカー) | 8万円台後半〜15万円台 | 1ヶ月半〜3ヶ月 | 純正部品・2年前後の保証 |
| 百貨店の時計売り場 | 正規・提携工房に準ずる | 取次ぎ分やや長め | 相談のしやすさ |
| 修理専門店(CIEN/WATCH COMPANY) | 2万円台〜4万円台 | 約3週間〜 | 料金の安さと納期の短さ |
| 街の時計店 | 店による(要確認) | 自店対応か取次ぎかで変動 | 日常のちょっとした相談 |
料金・納期は2026年7月時点の各社公表情報にもとづく目安です。ブランド・モデル・部品交換の有無によって変動するため、依頼前に見積もりで確認してください。
目的別のおすすめ|あなたに向いているのはどこ?
「結局どこがおすすめなのか」は、時計の使い方と、その時計をこの先どうしたいかでほぼ決まります。よくある条件別に、向いている依頼先を並べておきます。
- 費用をできるだけ抑えたい/普段使いの実用機→ 修理専門店。正規の半分以下からという料金設定が効いてきます
- 将来売る可能性がある/保証書や箱が揃っている→ 正規。メンテナンス記録が査定でプラス材料になりやすい
- できるだけ早く手元に戻したい→ 修理専門店。約3週間〜という納期は正規より短めです
- 不具合の原因がそもそも分からない→ 百貨店の窓口や街の時計店。対面で見てもらってから方針を決められます
- 近くに専門店がない/郵送で完結させたい→ 郵送対応の専門店。CIENは無料の梱包キットで全国から依頼できます
- 実物を見せて説明を聞きたい→ 店舗を持つ専門店。WATCH COMPANYは東京・大阪・名古屋・横浜の4拠点です
- まだ保証期間内の時計→ 正規。保証中に正規以外へ出すと保証が使えなくなる場合があるので、先に条件を確認してください
迷ったときは、正規と専門店の両方から見積もりを取って、金額差と納期差が自分にとって許容できる範囲かどうかで判断すると決めやすくなります。見積もりの時点では費用がかからないところが多いので、比べてから選んでも遅くありません。
ブランド別の選び方|ロレックスなら/オメガなら
4つの依頼先の役割が分かったところで、実際に自分の時計ではいくらになるのか気になる人も多いはずです。ロレックスを所有している場合はロレックスのオーバーホール料金で、正規とCIEN・WATCH COMPANYそれぞれのモデル別料金を確認できます。オメガを所有している場合はオメガのオーバーホール料金で、スピードマスターとシーマスターの機種差まで踏み込んで比較しています。
ロレックスはどこへ出すべき?判断の3軸
ロレックスは正規と専門店の金額差がはっきり出るブランドなので、次の3つを順に考えると答えが出やすくなります。
- 将来売る予定があるか:売却まで視野に入っているなら、正規の記録が残る安心感を優先する考え方があります
- 予算をいくらに置くか:正規は8万円台後半〜11万円前後、CIENは27,500円から。この差を許容できるかどうかが分かれ目です
- いつまでに戻したいか:正規は1ヶ月半〜3ヶ月、専門店は約3週間〜。使う予定が決まっているなら納期が優先条件になります
なお、製造からかなり年数が経ったモデルや、部品の供給状況によっては、依頼先ごとに受付の可否や対応方針が変わることがあります。古いモデルを持ち込む場合は、料金を聞く前に「そもそも受けてもらえるか」を確認しておくと二度手間になりません。
オーバーホール以外のロレックス修理はどこに頼む?
風防の傷、リューズやブレスレットの緩み、防水パッキンの劣化といった不具合は、分解掃除とセットで見積もられることが多い部分です。純正部品での交換にこだわるなら正規、費用を抑えたいなら純正パーツ使用を掲げる専門店、という考え方になります。破損の程度によって必要な作業も金額も変わるので、症状を伝えたうえで見積もりを取るのが確実です。
症状別にざっくり整理すると、こんな向き先になります。
- 止まる・遅れる・進む:分解掃除で改善することが多い症状。専門店・正規どちらでも受けられます
- 外装の傷・仕上げ直し:研磨の方針が依頼先で分かれる部分。削りすぎを避けたいなら仕上げの範囲を先に伝えておく
- ケース内に曇りや水滴がある:時間が経つほど内部が傷むため、依頼先選びより先に早く見てもらうことを優先
- ブレスの伸び・コマ不足:純正部品の入手可否で結果が変わるので、正規の見積もりも取っておくと比較しやすい
依頼先を絞り込む前に、まずは無料見積もりで実際の金額を比べてみませんか。
依頼先を決めるまでの手順と、見積もりで聞くこと
比較の材料が揃ったら、あとは順番どおりに進めるだけです。実際の流れはだいたい次のようになります。
- 1.時計の情報を控える:ブランド・型番・購入時期・保証書の有無。これがないと概算も出しにくい
- 2.症状をメモする:いつから、どんなときに、どのくらいずれるのか。伝え方で見積もりの精度が変わります
- 3.2〜3社に無料見積もりを出す:正規1社+専門店1〜2社の組み合わせが比べやすい
- 4.金額・納期・保証を並べて比較する:総額(部品代込みか)で揃えないと比較になりません
- 5.依頼して発送・持ち込み:郵送なら補償付きの配送方法かどうかも確認しておく
- 提示額は概算か、分解後の確定額か
- 部品交換が必要になった場合、追加費用の連絡は事前にもらえるか
- 保証の期間と対象範囲(精度・防水など)
- キャンセルした場合の費用と返送料の扱い
- 混雑期の納期の伸び方と、進捗の連絡方法
初めて依頼するときに失敗しやすいポイント
依頼先の比較と同じくらい大事なのが、依頼の仕方そのものです。編集部が各社の案内を見比べる中で気づいた、失敗につながりやすい行動を整理しました。
- 1社の見積もりだけで即決してしまう(他にもっと納得できる条件の依頼先があっても気づけない)
- 予算をギリギリで組んでしまう(部品交換が発生した場合の追加費用を見込んでおかないと、想定外の出費になる)
- ダイビングなど水に関わる使用シーンを伝え忘れる(防水性能のテスト内容や仕上げ方針が変わることがある)
- 保証の適用条件を確認せずに依頼する(購入からの年数や依頼先によって、メーカー保証が失効する場合がある)
- 納期の目安だけ聞いて、混雑期の遅延可能性を確認しない
なお、電池切れなど軽度なトラブルなら、電池交換だけで済むこともあります。依頼先ごとの料金や、ブランド時計ならではの注意点は腕時計の電池交換はどこがいいかで解説しています。水没や水入りをしてしまった場合は、応急処置と修理の流れを腕時計が水入りしたときの応急処置と修理費用の目安でまとめているので、あわせて参考にしてください。修理費用が高くつきそうで、直さずに手放すことも視野に入れている場合は、壊れた時計の買取で動かないまま売る場合の考え方もまとめているので判断材料にしてください。
オーバーホールの依頼先に関するよくある質問
まとめ|優先順位を決めてから依頼先を選ぶ
おすすめの依頼先は、時計そのものではなく「その時計をどうしたいか」で決まります。手元に置き続けて実用するなら費用と納期に強い専門店、いずれ手放す可能性があるなら記録の残る正規。この一本の軸を先に立ててから、複数の見積もりを比べるのが遠回りに見えていちばん確実です。
まずは無料見積もりで、お手元の時計のオーバーホール料金を確認してみてください。
出典:日本ロレックス、オメガジャパン、CIEN、WATCH COMPANY、新宿タカシマヤ、三越伊勢丹の公式サイト(2026年7月時点)を参照し、トキウル編集部が4つの依頼先を独自に整理しました。実際の料金・納期は依頼時期や個体の状態で変わります。


